
住宅ローン金利の推移
FPエンタープライズ 代表 伊藤勝啓です。
(マイホーム購入資金専門FP)
「マイナス金利」という言葉を聞いたことはありますか?
平成28年の年が明けてからよく聞く機会がありました。
これは一般的に、日本において
銀行預金をする人にとってはマイナス、住宅ローンを借りる人にとってはプラス、
の影響があります。
何の金利がマイナスかとい言いますと、
日本国が発行している債券=国債の金利がマイナスという意味です。
国債は、国が一定期間お金を借りるために発行されるもので、
貸した側(預けた側)はその間、金利を付けてもらえるというものです。
国債は価格が変動するものであり、
価格が上がると金利が下がり、価格が下がると金利が上がるというメカニズムがあります。
価格が上がるということは、人気があることの裏返しでもありますので、
すごく人気があるものにはそのおまけ(金利)をそれほど付けなくても
人気は簡単には落ちません。
今回のマイナス金利は日本国債の人気が異常に高まり、
金利を付けなくても買いたいという強い力が発生しました。
そして、金利がつかずマイナスになっても買いたいという力が発生しました。
言い換えれば、金利をもらわずに手数料を払ってでも預けたいという状態です。
信じられませんね・・・。
それだけ、日本国債に何かしらの魅了がある証拠でもありますね。
実は、これが住宅ローンの金利にも直接影響を与えるのです。
住宅ローンの固定と名の付く金利は国債の金利に連動します。
ちなみに、変動金利はまた別の影響で動きます。
国債の金利がマイナスになれば、一般的に住宅ローンの金利も下がるというメカニズムです。
ただ、住宅ローン金利はお金を貸す側(主に銀行)の利益になる部分ですから、
各銀行の判断によっては、その流れに追随しない場合もあります。
過去の住宅ローンの金利の推移を示している住宅金融支援機構のHPをご参照下さい。
http://www.flat35.com/loan/atoz/06.html
ちょっとわかりづらいですが、
平成28年以降に固定と名の付く金利がガクンと下がっています。
この時期以降に固定金利系の住宅ローンを組めた人はナイスタイミングというわけです。
ただ単に金利が安いというだけで選ぶのは危険ですが、
金利背景も考えながらより条件の良い住宅ローンを組めると良いですね。